初めてのフライフィッシング体験

フライフィッシングやってみようかな

当時、会社のメンバーと川釣りに行こうという話になった。
川釣りはやったことがない人や女性もいて、釣りを趣味にしている同僚と二人で渓流とポンドがある管理釣り場なら皆楽しめるだろうということで決めた。

私の故郷は海や川が近く、小さな頃から船釣り・海釣り・川釣り・ルアーなど、ある程度の釣りは体験してきていた。
放流された生簀で餌釣りで釣れるのは当たり前。味気なく思い、なんとなく憧れのあったフライフィッシングにチャレンジしてみることにした。
ラインを振る動作や、本物の餌を使わず毛ばりで釣る、という所に餌釣りとは違うスマートさを感じていたのかもしれない。

#5のフライフィッシングセットと参考書を買い、ネットで調べたキャスティング練習(毛糸を素手で振るやつ)もして準備は万端。
初めての釣りだから2、3匹釣れればいいなぁなどと虫のいいことを考えていた。

釣りにならない

迎えた当日。少し遅れて現地に着くと意気揚々と準備を始めた。
ラインにリーダーを繋げて買ってきたフライを結ぶ。さぁついに本番だ。

イメージはしてきたもののキャスティングは初めてで、どんな風に飛ぶのかもわからない。
ルアーや投げ釣りの感覚とは違うと言われていたけど、何が違うのかもわからず3回ぐらい振ってぐしゃぐしゃに絡まった。

今思えば、セット付属の安いラインも影響していたのかもしれない。
そこからはまったく釣りにならず少し振っては絡まり20分くらいほどく、というの繰り返していた。

しばらくして絡まりはしなくなったものの、思うようにキャスティングできず、初心者にありがちな近い距離の水面を叩くようにフライを置いていた。
そんな状態では釣れるはずもなく、周りがわいわい釣っているのを横目にテンションも下がってきた。このままでは坊主かもしれない…。

突然の出来事

日も落ち始めていてそろそろ撤収の気配。
このまま川を下って受付に戻ろう。と思いながらも、一縷の望みをかけて水面を叩くキャスティングをしながら下っていった。

その時はビーズヘッドニンフをつけていたと思う。
あたりは山の夕暮れで薄暗くなりつつある。半分やけになりがらパシパシとロッドを振っていた。

そのビーズヘッドニンフが着水した瞬間、「ガバっ」っとすごい勢いで魚がこちらに飛び出してきたのである。

とっさのことで合わせもままならず、そのままフックはできず魚は逃げていった。
その間は1秒にも満たなかったと思う。
しかし、なぜか心臓はドキドキしてしばらく唖然としていた。

フライフィッシングならではの、魚の躍動を感じた瞬間だった。

釣果はゼロ。半分はラインの絡まりと格闘した初めてのフライフィッシングだったが、その一瞬のおかげでこの奥深い釣りに惹きこまれることとなった。